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Grand Vin de Bordeaux グラン・ヴァン・ド・ボルドー
フランスのAOC産地の最大面積を誇るボルドー地方。
その風光明媚な外観から「お城」を意味する「Chateau シャトー」と呼ばれるワイナリーが並ぶ、ワインで最も有名な産地の一つです。
そのボルドー・ワインを語る上で有名な制度として知られているのが「メドック格付け」です。
1855年のパリ万国博覧会にて世界中の人々が訪れる博覧会の目玉のひとつになると考えたナポレオン3世の命令により、ボルドー商工会議所がメドック地区の生産者の格付けを行いました。
メドック地区(一部例外あり)のシャトーが5級から1級まで61シャトーが格付けされており、なかでもその1級に位置する「5つのシャトー」は世界的にも高い評価を得ています。
総称して「五大シャトー」と呼ばれ、ワインをあまり知らない人でも名前は聞いた事があるであろうボルドーの頂点に君臨するワインです。
Bordeaux ボルドー
シャトー・ラフィット・ロートシルト
シャトー・ラトゥール
シャトー・ムートン・ロートシルト
シャトー・マルゴー
シャトー・オー・ブリオン
Saint-Emilion サン・テミリオン
そして忘れてはならないのが、ドルドーニュ川右岸に位置する歴史的な銘醸地「サン・テミリオン」。
こちらも格付けがされており、ボルドー左岸のメドック格付けの約100年後の1954年に法定されました。
サン・テミリオンの格付けの最も大きな特徴は10年ごとに見直しが行われること。
メドックの格付けが150年以上経った今でも一部の例外を除いてほとんど変わっていないのに対し、サン・テミリオンの格付けはこれまでに1969年、1986年、1996年、2006年、2012年の6回にわたって改訂されました。
また、サン・テミリオンでプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAのシャトー・オーゾンヌとシャトー・シュヴァル・ブランが、2022年に予定されている次回の格付けに申請せず、撤退することを決めた事でも再び話題となりました。
シャトー・シュヴァル・ブラン
シャトー・オーゾンヌ
シャトー・パヴィ
Pomerol ポムロール
そしてもうひとつ「ボルドーで最も小さく」「ボルドーで最も高価な」ワインが生まれる世界的銘醸があります。
シャトー・ペトリュスやシャトー・ル・パンなど、現在揺るぎない名声を誇る銘柄が脚光を浴び、生産者の規模が小さく生産量が少ないため、希少価値があり価格の高騰が激しい事で有名なエリア「ポムロール」。
もともと現地での評価は高かったのですが、サン・テミリオンの陰に隠れ、ポムロールそのものが知られていなかったため世界的には無名でした。しかし1980年代に彗星のごとく登場したポムロールのワインが20世紀後半にかけて多くの評論家に高評価を受け、世界的に脚光を浴びる事となります。
そのワインは「シンデレラワイン」と呼ばれ、今もなおボルドーを代表する、希少価値の高いワインとして君臨しています。
シャトー・ペトリュス
シャトー・ル・パン
シャトー・ラフルール
Sauternes ソーテルヌ
今、世界中で作られている甘口のいわゆる「デザートワイン」。中でもボトリティス・シネレア菌によって、ブドウの水分を蒸発させ、極甘口ワインの元となる「貴腐ブドウ」から造り出す、「貴腐ワイン」は世界中の愛好家を魅了する逸品です。
ボルドー地方で造られる極甘口の貴腐ワインで圧倒的な人気と存在感を誇るのが「ソーテルヌ」です。ソーテルヌはドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイワインと並んで「世界三大貴腐ワイン」の一つとして大変有名です。
通常、ブドウ樹1本からボトル1本分のワインができると言われていますが、貴腐ワインの場合はブドウ樹1本からグラス1杯分のワインしか造ることができません。
ソーテルヌはその奇跡的ともいえる自然の条件と、驚くほど多大な手間と時間をかけて生まれる貴腐ワインなのです。だからこそ希少性が高く非常に高価になります。
シャトー・ディケム
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