生産者情報
不可能を、可能に
Clemens Busch
クレメンス・ブッシュ
「モーゼルにおけるチャンピオンである事に異論はなく、類稀な才能を持つ生産者の一人。」
By Wine Advocate
モーゼル北部のテラッセン・モーゼルでは古くから急斜面でのブドウ栽培が行われていたが、機械を用い、少ない労力で大量の収穫を得ることが出来る平地でのブドウ栽培が主流となる時代もありました。そんな中でも、周囲からの非難の声をものともせず、急斜面だからこそ生まれるリースリングの魅力に取りつかれ、一心不乱にこの地でのブドウ栽培を続けてきたのが、このクレメンス・ブッシュです。
「私達にとってリースリングはただのブドウではなく、私達の情熱であり、義務でもある。風化したスレートの斜面からは、世界中で作られているワインと比較しても尻込みすることないフィリグリー(金属の透かし細工)のような繊細さとパワフルさを兼ね備えたワインが生まれ、私達はこのポテンシャルをボトリングする為に努力している。」
クレメンス・ブッシュ
不可能とされていた急斜面でのビオディナミ栽培を実践し続けるのには莫大な労力と費用がかかります。
時々彼は自問しました。
「こんなに大変な思いをしてまでこれをやる意味があるのかと。」
しかし彼はビオディナミを推し進めることが、これらの素晴らしい畑のポテンシャルを最大限引き出し、高品質を維持する方法だと確信しています。
全長 250kmの川が蛇行するモーゼル地方。急斜面に張り付くように植えられているブドウ畑はモーゼルらしさのイメージを喚起させるが、その中でもひときわ傾斜が急な段々畑が広がるのが下部のテラッセン・モーゼルと呼ばれるエリアです。
クレメンス・ブッシュの所有する畑の大部分は川を挟んでワイナリーの正面に広がるピュンダリッヒャー・マリーエンブルクにあり、南南東向きグレースレート主体の急斜面。モーゼルで最も特権的な地位を持つ畑です。
クレメンス・ブッシュはドイツワイン評価におけるバロメーター的存在であるアイヒェルマン誌で最高位である5つ星生産者に選ばれ、続くゴーミヨ誌では4.5/5房とドイツ屈指の評価を受けます。
さらにWA誌では「テラッセン・モーゼルにおけるチャンピオンであることに異論はなく、ザール・ルーヴァーを含む全モーゼルにおいて類まれな才能を持つ生産者の一人だ」、ヒュー・ジョンソンからは「けた外れに力のある辛口のリースリングを産する」、ジャンシス・ロビンソンからも「偉大な辛口リースリングの生産者」と枚挙に暇がありません。
全モーゼルを代表すると言っても過言ではないクレメンスのワインは、ドイツを語る上では決して外すことのできない必需品です。