削ぎ落された美しさを追求した
純粋無垢なシャンパーニュ。
設立以来、一貫して家族経営を続け、世界最高峰のシャンパーニュ・メゾンと名高いルイ・ロデレール。
こちらのブリュット・ナチュールは、純粋さ、垂直性、歴史、現代性、そして誠実な造りにこだわった、あくまでもシンプルでピュアなシャンパーニュです。
ノン・ドサージュで仕上げることで、密度の高い粘土質土壌の良質なピノ・ノワールの魅力を存分に表現しています。
完熟した果実の甘やかなニュアンスと、ふくよかかつキレのある味わいが魅力の1本です。
老舗メゾン×世界的クリエイター
ブリュット・ナチュールは、2003年にルイ・ロデレールがシャンパーニュの中心部に所有するキュミエール、オーヴィレール、ヴェルテュ地区にまたがる畑に並外れたポテンシャルが備わっていることを発見したことから始まったプロジェクト。
この畑は、独特の粘土質土壌で硬砂岩や粗粒砂岩などを豊富に含んでいるため、夏の猛暑と日照りの影響を難なく乗り切り、また東西に流れるマルヌ川の反射光の効果でブドウがよく熟すことから、調和のとれた濃厚で香り高い果実が収穫できます。
この優れたテロワールを何か特別なシャンパーニュに昇華できないかと、毎年試行錯誤していたルイ・ロデレール社長フレデリック・ルゾー氏は、かねてよりその仕事ぶりに感嘆していた世界的クリエイターのフィリップ・スタルク氏の参加を熱望。
スタルク氏は醸造から参加することを条件に一緒にプロジェクトを進めることになります。
スタルク氏は、ピエール・カルダンのスタジオでアートディレクターを務めた後、1980年代にはエリゼ宮のフランス大統領専用室をはじめ、多くのレストランやホテルの内装、様々なプロダクトデザインを手掛け、ジェームズ・ビアード財団賞、最優秀レストラン・デザイン賞を受賞した華々しい経歴の人物です。
「ドサージュなしのシャンパーニュしか飲まない」というスタルク氏の言葉を発端に、ノン・ドサージュのコンセプトが生まれ、理想的なシャンパーニュのビジョンの議論が繰り返されました。
通常のシャンパーニュは、最後に甘口のリキュールを加え完成されますが、ノン・ドサージュは、甘さを一切加えず、エクストラ・ブリュット(極辛口)に仕上げています。
すべてのメゾンが造っているわけではなく生産量も少ないですが、一部でファンも多いキュヴェ。
ブドウの美味しさが率直に伝わる分、本質が問われる難しいシャンパーニュです。
様々なイメージやアイディアを喚起させてくれるスタルク氏の言葉はルイ・ロデレールの革新性を大きく助長させたと共に、「全体の工程を構想以上に推し進めてしまった」と語られるほど、ルイ・ロデレールの創造性を刺激。
収穫から醸造においても、あらゆる工程を見直し、よりシンプルに洗練させたものへと改革しました。
Tasting comment
シャンパーニュの2015年は、冬は穏やかで雨が多く、夏は暑く乾燥し晴天に恵まれた気候が特徴。
このことで、ブドウ樹に適度な水分とほどよいストレスをもたらしました。
8月後半には待望の雨が降ったことで、適度な水分を含んだブドウに成長。
ジューシーかつ凝縮感のあるブドウの収穫に成功しました。
こうして造り出されたブリュット・ナチュール2015年は、まるで濃密な樹液を思わせるような、凝縮感のある果実味が印象的な仕上がりに。
栽培・醸造担当のジャン・バティスト・レカイヨン氏が「大陸性気候によるブドウは見事な成熟度となった。」「見事な凝縮感、信じられないほどの深みを備えたワインに仕上がった。」と自信を覗かせるほどの見事な出来栄えです。